大峰の源水

このトレッキングの目標はフィトンチット広場にしている。ここにくるまでで子どもたちが喜んだのは、大峰の源水だ。小さな滝が二筋三筋流れている所にある。「冷たくて甘い」のだ。どの子もよく歩いてきたのでのどが渇いている。一口飲むたびに「おいしい」と口々にうれしそうだった。
 歩き続けている景色は、程良く変化に富んでいる。清津峡が近づき、ブナ林の間から雄大な流れが目の前に広がったり、切り立った崖と崖が近づいてその間をゆったりと流れていたりいつまでも飽きさせない。子どもたちは景色よりも、ヘビやカエル等の動くもののようだ。

マムシが二匹にヤマカガシ二匹

歩きはじめるとすぐに、熊に注意と書いてあった。先頭をゆくと落葉樹で茶褐色の山道によほど注意をしないと見分けがつかない色のマムシがいた。薄さんと牧田君は僕らの前を通ったのに気がつかなかった。鎌首をもたげてていてじっとしていて不気味だ。棒でさわると藪の中に消えていった。20分もしないうちにこん度は、逃げていく姿を見かけた。子どもたちになにもなくてよかった。その後もヤマカガシが二匹もいた。自然が多いのもいいがヘビは気持ちのよいものではない。